ハウツー

芸術を解放するApp

一人、部屋で踊る。その動きが、世界を創造で満たす。

芸術は一人の人間の中で始まります。そして芸術は、その表現を体感した別の人間の中で拡散し、様々な感情や思考や体験を生み出します。芸術を共有する手段が増えた今日では、たとえあなたが今、一人で自分の部屋にいたとしても、そこであなたが生み出す感動を世界中に届けることができます。

音に合わせて体を動かして、自分の中にあるものを解放する。ダンサーの自由な動きは、見る人の中で何かを解放し、目覚めさせることでしょう。さあ、動き出しましょう。Appとともに、あなたの作り出す美を映像にする方法をここでは紹介します。

部屋の形を探す

今いる場所がどこであれ、そこはあなたのステージになります。まずは部屋の中に、面白い形がないか探してみましょう。扉や窓、そして柱、あるいはベッドやカーテンなど、触れたり、座ったり、寝そべったりできるものを探してみる手もあります。

良さそうな場所を見つけたら、いったん場所も形も忘れて、音楽をかけて、自由に体を動かします。

白は無限のキャンバス

白を背景にまとうことで、いつでもあなたが画面の主役になります。部屋の中で、白い空間を探してみます。壁やカーテン、ベッドのシーツなど、無色のキャンバスの上で、あなたの形を描いていきます。

撮影で「Pro Camera by Moment」を使用して、露出を調整してみましょう。美しい白になるように、そしてあなたが美しく映るバランスで露出を決めます。

踊っている姿にフォーカスが当たるよう、フォーカスを設定したい時は、「AUTO F」をタップして、その上のレバーを左右に動かして調整します。

もしも部屋に真っ白な空間があまり見つからない時は、映像を加工して背景だけを白黒にする方法もあります。「VOCHI」で人物のみに色を残して、背景を白黒に変換すれば、よりシックな雰囲気が生まれます。

「VOCHI」で人物以外のすべての色を白黒に変換します。

もう一人の主役

白い背景の舞台で、あなたの他にもう一人、主役がいます。それはあなたと部屋が作り出す影です。部屋の中に差し込む光と、あなたの動きによって生まれる影は、床に模様を描き、ブラインドに波を作り、カーテンを光の反射するベールに変えます。

一人で撮影する時には、iPhoneやiPadを三脚などで固定して撮影することになります。そうした時は、iPhoneやiPadを置く場所や、その高さを変えて、撮影するアングル自体を動かしてみましょう。見え方が変わることで、動きの印象も変わります。

「Doubletake by FiLMiC Pro」では、iPhone 12 ProやiPad Proなど、2つ以上カメラが搭載されているデバイスを使うと、同時に2つのアングルで映像を撮影できます。

「Doubletake by FiLMiC Pro」を使うと、寄りと引きの映像を同時に撮影できます。

色を載せる

動きや音が切り替わる瞬間の映像に、加工で彩りを加えると、よりその変化を強調できます。白い背景だからこそ、あなた自身の映像だけに色を載せると、動きの節目にインパクトがつきます。

「HYPERSPEKTIV」を使って、人物のシルエットだけに色をつけていきます。

「HYPERSPEKTIV」の「DUALITY」の機能で画面全体に色をつけた様子。

画面全体が加工された映像と、人物の体部分だけに加工が施された映像の2種類をうまく織り混ぜていくことで、よりダンスの動きを強調する映像になります。

見え方を動かす

場所を決めて、そこで踊るうちに、あなたの動きが美しい形をかたどっていく瞬間があります。さらに「nception」を使って、その画面自体を変形させてみましょう。映像の中で、ダンサーの動きとは別の、画面自体の動きが生まれることで、重層的な演出になります。

今まで見ていた画面が動き始めると、映像の印象が大きく変わります。

美しい映像素材がそろったら、「Adobe Premiere Rush」で映像を編集しましょう。「Doubletake by FiLMiC Pro」を使って撮影した、ブラインドをなでる姿の後に、その手の動きだけの映像をつなげると、観る人の視点が指先のなめらかな仕草へと自然に誘導されます。

「Adobe Premiere Rush」で、ブラインドをなでる姿の後に、その手の動きだけの映像をつなげます。

創造することは誰かとつながること。私たちが作り続ける限り、芸術はどこかで生き続けます。あなたの作品で、芸術を未来へとつなげてください。